交通事故で加害者になってしまった時の対応と絶対にやってはいけないこととは?

突然ですがあなたは今まで車を運転していて事故を起こしたことはあるでしょうか?

私はあります。

幸い死亡事故のような大きなものではなりませんでしたが、それでも相手に与えた損害と自分の車に負ったダメージを考えれば十分すぎるほど辛い出来事でした。

今となっては教訓として人にも話せるものの、当時は本当にショックでたまりませんでした。

「よりによってなんで自分が・・・」と。

今回はその時の体験を振り返りつつ、もし実際に交通事故の加害者になってしまった時の対応についてお話ししていきたいと思います。

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最も多い交通事故とその原因は?

僕が実際に経験した事故のことについてお話しする前に、みなさんは一体どんな種類の事故が多く発生しているのか?そして、事故の原因は一体なんなのか?

と聞かれて思い浮かぶでしょうか?

「なんとなく」というイメージはあっても「ハッキリと答えられる!」という方は案外少ないかもしれないですね。

そこで、まずは警察庁が発表している交通事故の統計情報を見ていきたいと思います。

 

事故のパターントップ3

1位:追突事故    ・・・35.5%

2位:出会い頭衝突事故・・・24.5%

3位:右左折時衝突事故・・・17.2%

 

事故の原因トップ3

1位:漫然運転・・・15.9%

2位:操作不適・・・13.3%

3位:脇見運転・・・12.2%

※パーセンテージは車両相互人身事故における構成比

(警察庁交通局発表「平成29年中の交通事故の発生状況」より引用)

 

事故のパターンとして最も多かったのは追突事故

割合でいうと3件に1件以上が追突事故ということになりますね。

それに続くのが出会い頭での衝突事故と右左折時の衝突事故

やはり交差点は進行方向のことなる車とすれ違う場所なので交通事故が起きやすくなっています。

 

そして今度は事故の原因を見てみると、漫然運転、つまり“ぼーっと運転していた”とか“居眠り”などが最多で約16%

2位の運転不適はいわゆる運転操作のミスのことです。

“アクセルとブレーキを踏み間違えた”など、最近高齢者によるこの手の事故が増えているのでイメージがしやすいと思います。

3位の脇見運転も近年増加傾向にある事故原因の一つ

スマホ操作などの“ながら運転”に代表されるような前を見ずに運転していたことによる事故ですね

 

もし交通事故を起こしてしまったら

統計を見てみたところで、私が起こしてしまった事故について触れながら、もし「事故を起こしてしまったら」ということについてお話ししていきます。

 

私が事故を起こしたのが2016年の12月末、場所は首都高速上でした。

時期的には仕事納めも済んだ年末休みの期間

レジャーや帰省などで車を使う人も多く、かなり渋滞が発生していました。

車も止まったり動いたりを繰り返しすような状態です。

 

これから友人に会いに行く途中だったこともあって「早く動け~」と心の中で思っていました。

そんなことを思っていると、自然と運転にも影響が出てきます。

無意識のうちについ前の車との車間距離を詰めてしまっていました。

正確な数値はわかりませんが感覚でいうと約5~10mくらい

 

そんな状態の中、ようやく前の車が動き出したので「よしっ!」と思いアクセルを踏んだ途端、前の車がブレーキ!

急に加速しすぎたのと、少し他のことを考えていたせいでこちらのブレーキが間に合わず・・・

ドンっ!!

 

やってしまいました、追突事故です。

事故を起こした瞬間は頭が真っ白になり、本当に一体何が起きたのかわかりませんでした。

速度的には20kmも出ていない状態だったのでエアバッグも作動しなかったので、一瞬、事故を起こしたのか?という感覚

 

でも、前の車のバンパーがへこんでいるのを見て「あぁ、やっちゃった・・・」とようやく事故を起こしたことを認識しました。

この時本来であればまず事故の対応をするのが義務です。

でも、恥ずかしながらこの時、私の頭の中に思い浮かんだのは

「ヤバい!会社に知れたらどうしよう」

「なんとかゴマかせないだろうか!?」

などなど・・・

あろうことか相手のことよりも自分の“保身”のことを心配していたんです。

果てには「このまま逃げてしまえばバレないんじゃないか」ということまでよぎりました。

今思うと本当に情けない話ですが、この心境は事故を起こした当事者でしかわからないと思います。

 

ただ、その時

「相手は被害を受けたままになってしまう」

「もし逃げて後々捕まったらもっと責任は重くなる」

「仮に逃げられたとしても、ずっと負い目を感じ続けて生活することになる」

と我に帰り、落ち着いて事故の対応をすることができました。

 

加害者になってしまった時の対応

もちろん事故は一生起こさないのがベスト!

でも、私のように事故を起こしてしまうことは誰にでもあり得ます。

その時にどのように対応すべきかを知っているかどうかで、落ち着いて対応できるかが大きく変わります。

私の場合は免許を取って5年ほどで教習所で習ったことを覚えていたため、比較的焦らずに対応することができました。

実際に私が行ったことを交えつつ事故対応の手順を紹介していきます。

 

①まず車を確実に止める

「何を当たり前のことを」と思うかもしれないですが、これまで話してきた通り、事故を起こした瞬間はパニックになっていてもおかしくありません。

普段なら普通にできることも正しくできなくなることもあり得ます。

しっかりとギアをパーキングレンジに入れてサイドブレーキなどをかけてエンジンを止める

これを怠ると不意に車が動いてしまったりして、さらに事故が起きたりすることも考えられます。

まずは深呼吸して落ち着いて車を確実に停車させましょう。

 

②ケガ人の救護

自分が起こした事故でケガ人が出てしまった時には119番通報

出血している、骨折しているなどケガの程度が明らかにひどい場合は迷わずに救急車を呼びましょう。

もし、ケガの程度の判断ができず救急車を呼ぶべきかわからないときは、いったん東京消防庁救急相談センター(#7119)に相談、もしくは警察の到着を待って判断してもらうのも手です。

私の場合は相手方に足を捻挫した人がいましたが重傷者はいないようだったので、いったん救急車は呼ばずに警察の到着を待ちました。

 

③道路での危険(二次災害)防止

意外と忘れがちになるのが事故を起こした後の安全確保

事故が起きているのは車道上なので、当然他の車がたくさん走っています。

三角表示板や発煙筒を使う、ハザードランプを点灯させることで後続車に事故の発生を知らせることができ、二次災害を防ぐための注意喚起をすることができます。

車が移動できる状態なら安全な場所へ、もし少しでも不安があるのなら、無理に動かさず現場の安全を確保しましょう。

あと、私のように一般道ではなく高速道路上となると車の速度も速く、二次災害の危険がより一層高くなるので、必要な時以外は車の中でシートベルトを締めて待機するのも重要です!

 

④警察へ通報

そして一番忘れていけないのが警察への通報ですね。

事故の発生場所や内容にもよりますが、私の場合には高速道路会社の交通管理隊のパトカー(下写真)が到着。

 

その10分後くらいに交通警察隊のパトカーが来ました。

普段は取り締まりなどであまりイメージが良くない交通警察隊のおまわりさんですが、この時ばかりはいてくれるだけでものすごい安心感がありました。

さすがプロだけあってテキパキと交通整理をしながら事故の現場検証を行い、比較的軽微な事故だったこともあり、ものの15分くらいで事故処理が完了

相手方の車も自走可能だったので、そのまま移動するよう指示されました。

 

⑤保険会社へ連絡

警察に連絡したあとは保険会社へもできるだけ早く連絡しましょう!

基本的には保険会社のコールセンターは24時間対応してくれます。

事故の状況などを詳しく聞かれるので、覚えていることを包み隠さず伝えます。

この時に虚偽の申告をすると保険が適用されないなど、余計な不利益を被ることにつながるので、必ず正直に答えましょう

相手方との連絡は基本的には全て保険会社の担当者が行ってくれるので、事故現場で相手方の連絡先を聞いておくのを忘れずに!

(あと、お互いに免許証の写真を取っておくと後々の連絡などがスムーズです。)

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絶対にやってはいけないこと

ここまで交通事故で加害者になってしまった時にすべき対応を紹介しました。

完璧にとまでは言わないまでも、何となく流れは知っていた人もいたんじゃないでしょうか。

ですが、反対に事故現場で絶対にやってはいけないことは?と聞かれたら意外と答えられない人も多いのでは?

 

①事故現場から逃げてしまう(当て逃げ・ひき逃げ)

これは当たり前ですが当て逃げやひき逃げは絶対にしてはいけません!!

先ほど紹介した事故対応の手順①~④は道路交通法第72条に記載されている内容で、何か一つでも不備があれば違反として検挙されることになります。

目撃者がいないさそうだから!と思ったとしても監視カメラやドライブレコーダーなどで記録されていたり、現場に残されたタイヤ痕や破片などから特定され、検挙率は約95%

遅かれ早かれほぼ確実に捕まることになり、当然、事故対応をしたときよりも罪が重くなります。

 

当て逃げの点数

・基礎点数:安全運転義務違反  ・・・2点

・付加点数:危険防止措置義務違反・・・5点

→計7点(一発免停となります。)

当て逃げをせずにきちんと処置義務を果たし、警察へ連絡していれば減点されることはなく0点ですみます。

物損事故だからと言って軽視せず、きちんと警察に連絡すべきですね

 

ひき逃げの点数・刑罰

ひき逃げは問答無用で「救護義務違反」となるので、最低でも35点の違反

即免許取り消しとなり運転時の状況によりその後の欠格期間にも差が出てきます。

違反種別・被害者の状況 点数 欠格期間
救護義務違反 35点 3年
死亡 55点
(35+20)
7年
傷害 48点
(35+13)
5年
酒酔い運転・死亡 90点
(35+35+20)
10年
酒気帯び(0.25mg/L以上)死亡 80点
(25+35+20)
10年
酒気帯び(0.25mg/L以下)死亡 68点
(13+35+20)
9年
酒酔い運転・傷害 83点
(35+35+13)
10年
酒気帯び(0.25mg/L以上)傷害 73点
(25+35+13)
10年
酒気帯び(0.25mg/L以下)傷害 61点
(13+35+13)
8年

 

ひき逃げの場合は相手の負傷や損害の度合いに応じて刑罰の内容が変わります。

罪状・違反名 刑罰内容
救護義務違反
危険防止措置義務違反
10年以下の懲役または
100万円以下の罰金
事故報告義務等違反 3ヶ月以下の懲役または
5万円以下の罰金
現場に留まる義務違反 5万円以下の罰金
自動車運転致死傷罪
過失運転致死傷罪
7年以下の懲役もしくは禁錮または
100万円以下の罰金
危険運転致死傷罪 死亡:20年以下の懲役
負傷:15年以下の懲役
殺人罪 死刑
無期懲役
懲役5年以上

 

あまりに悪質な内容と判断されれば殺人罪が適用される場合も。

いずれにしても行政・刑事共に重い処罰が課されることは確実なので、事故を起こしてしまったらきちんと誠実な対応をしましょう。

 

②むやみに謝る

事故を起こしてしまうととっさに「すみません!」と言いがちです。

確かに加害者なのだから謝るべきところはあると思いますが、やたらと謝り続けていると相手がこれを「完全に責任を認めた」とつけ込んで来ることも考えられます。

交通事故の現場では警察などによる現場検証が終わるまでは過失の割合もわかりません

焦ってうかつに平謝りすることなく、冷静に対応することを心がけましょう。

ただし、自分の過失であることが明らかなときは素直に謝ることも必要です。

 

③勝手に示談に応じてしまう

②と関連する内容でもありますが、自分が悪いと勝手に決めてしまい、相手に要求されるがままにお金を払ってしまうのは危険です。

法外な金額を要求されたりすることも考えられます。

仕事での運転中に事故を起こした場合などは「会社に知られたくない」などの理由から当事者同士で内密に済ませたいと思ってしまうもの

一度交わしてしまった示談の内容は変えることができないので、必ず保険会社などを通して示談交渉をしましょう!

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事故を起こさないために

ここまで交通事故の統計や対応について紹介しました。

実際に事故を起こしてしまうとたとえ軽微な事故だとしても、想像よりもずっと精神的負担も大きく、様々な事務手続きに金銭的な出費もかかります。

そんな経験をした私から事故を起こさないために一言いうとすれば

「自分は絶対大丈夫」

と過信しないこと。

 

私自身、もともとクルマ好きで運転に自信があったこともあって、どこかおごり高ぶった運転になっていたのかもしれません。

今になって思い返すと、そんな心持ちでいたから油断が生まれ、結果的には事故に繋がったのだと感じています。

よくある言い回しかもしれないですが、自分もいつでも加害者になりうるんだ、という意識を持つだけで普段の運転にも違いが出てくるはず

今回は紹介した内容が皆さんの安全運転にちょっとでも役に立てば嬉しいです。

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